「ふわぁ…」

散々ミルキーを茶化していると強烈な眠気な私を襲ってきた。

そうだ…色々吃驚(びっくり)する出来事が多すぎて忘れていたが、ミルキーと会う前に窓を見た時には、三日月が空に浮いていた。

でも、こんな所で寝るわけには行かない…、
なんとか自分の部屋のベッドに一度ミルキーに戻してもらわなければ…。


「ミルキー…、私の部屋に…、一旦戻りたいの…、戻してくれないかしら…。ふあぁ。」

「申し訳ありませんが、何度もニンゲン界と『ここ』の世界を行き来することは出来ないのです。何故かと言いますと…、ああ、この説明は後ほど。私とした事がアンジュ様を夜ふかしさせてしまった事をお許し下さいませ。今、寝る準備を致します。」

そう言うと、ミルキーは呪文を唱え、ピコピコと短い腕を動かす。

すると、少し遠くの方に浮いていた岩(惑星?)がグググッとこちらへ近づいてくる。
そして、こちらの岩と先ほどの岩がぴったりと合体した。
それらの動きを何度が繰り返すと広い空間ができた。





もう意識を保つのは限界のようだ。

岩の上に寝転がると、岩の上の草原のようなものは、想像よりずっと柔らかく、ふわふわとしていて、ニンゲン界の草とは全く違っていた。
まるで、毛布…、気温も寒くないし、暑くもないし、快適だ。

最初は岩が少し動くのがとても怖かったけれど、今では揺りかごのように感じる…、とても、心地いい…。



そう思っているうちに私は眠ってしまった。