「これって…、なんでも現すことができるの?」

「ええ、なんでも、空想したものならば現せます、しかし、今のように現したものを虚像、空想のものだと意識してしまったら消えます。だから、虚像と感じないための訓練が必要ですね。トレーニング、ですね。最初の方は実際に見たもの、触ったもの、食べたものしか現せませんが、慣れると架空の空想のものを現すことができます。」

私はワクワクした。
こんな事が出来るなんて!!!
夢のような能力!!!
…でも、空想のものを現れたら、吃驚(びっくり)してしまう…。それを自然に受け入れる事は凄く難しそう…。

それからミルキーと私は『この』世界で『空想の能力』の訓練を一時間ほどした。


初めは周りの風景、周りのものの色、手触り、そこに存在しているものを取り出す空想をして、取り出したものの特徴を思い浮かべ、空想のものを現す訓練、

試しにクッションを取り出したが、空想の物が実際に現れるという感覚になれないのと、虚像のものと感じてしまい、すぐに消えてしまった。

次にもう一度同じ事をしてみると
ミルキーがくれた、「空想の
ものが現れたら、現れたものをじっくりと見て、それが存在していることを意識する。」というアドバイスを参考にすると最初のように10分以上現すことができるようになった。

それから30分現すものを変えながら同じ訓練

その後は、風景を想像せず、現したいものから空想する訓練を10分をした。

次は、現すものを食べ物にする訓練。「ミルキーがアンジュ様の好物を出してみてはどうでしょう?」と言ったものだから、私はママのパンケーキを思い浮かべ、現したが、ふと、「これは、食べれるのか、食べられたとしても身体に害はないのか」などと考えてしまい、パンケーキが消えてしまった時は私は本当にガッカリしたけど、
その後思い切り涙目になって拗ねた私に、ミルキーの、「現したものは食べられます。しかし、食べた後は食べたものを意識しないので体内から消えます。だから、いくらでも食べ放題ですよ。しかし、虚像と考えれば消えちゃいますよ。」という言葉を聞いた瞬間、私はやる気が満ち溢れ、余分な、本当に多すぎる程のパンケーキを量産し続けた。

それらを思い切りミルキーと食べて休憩した後に

空想したものを現す時間を短縮する訓練をする事になり、私は「どうせなら美味しいものと可愛いものを出したい」、とミルキーにねだり、
大量に洋服やら、ぬいぐるみやら、マカロン、チョコレート、カップケーキ、ペロペロキャンデー、フルーツの盛り合わせなど…とにかくたくさんのものを出してみた。(後半食べ物ばかりなのは気にしない。)

その途中ミルキーの「アンジュ様はいいなぁ」などの声が聞こえた気がしてミルキーを見つめると羞恥で真っ赤に染まっている姿があまりにも可愛かったので散々私は茶化した。