CHEEKY X'MAS―愛しの生意気エイティーン―



☆.。.:*・゜


白のボートネックニットに大きめのペンダント。

紺のスキニーパンツ。

羽織りものはキャメルカラーのチェスターコート。


「イメージしてた以上に似合ってるわ。

モデルみたいよ」


着せ替え人形の出来栄えに、わたしは自画自賛した。

意外と気分屋な彼は、まんざらでもないようで、得意げに澄ました顔で笑ってみせる。


「もともとです。

撫で肩であること以外は、モデルとしてほぼ完璧な体型ですから」


わたしが勤めるヘアサロンの近くに、お気に入りのカフェバーがある。

大学生のお客さんが言うには、ちょっと大人の雰囲気だから背伸びしないと入れない、らしい。


雑居ビルの11階。

3人乗ったら窮屈になるエレベーターで昇ると、細長い店内は、キャンドルが揺れる薄闇だ。

ソファ席は全部、ガラス張りの窓を向いて置かれている。