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白のボートネックニットに大きめのペンダント。
紺のスキニーパンツ。
羽織りものはキャメルカラーのチェスターコート。
「イメージしてた以上に似合ってるわ。
モデルみたいよ」
着せ替え人形の出来栄えに、わたしは自画自賛した。
意外と気分屋な彼は、まんざらでもないようで、得意げに澄ました顔で笑ってみせる。
「もともとです。
撫で肩であること以外は、モデルとしてほぼ完璧な体型ですから」
わたしが勤めるヘアサロンの近くに、お気に入りのカフェバーがある。
大学生のお客さんが言うには、ちょっと大人の雰囲気だから背伸びしないと入れない、らしい。
雑居ビルの11階。
3人乗ったら窮屈になるエレベーターで昇ると、細長い店内は、キャンドルが揺れる薄闇だ。
ソファ席は全部、ガラス張りの窓を向いて置かれている。



