お祭り好きな弟がグループみんなの誕生日を訊いたとき。
変わり者の彼はいつもの笑顔のまま、頑として答えなかったらしい。
みんな最後にはむきになって、あの手この手で聞き出そうとしたそうだけど、彼の鉄壁の笑顔を崩せず。
「自分で成し遂げた功績でもないのに、祝う?
まずその時点で、誕生日というものの意味がわかりません。
祝うなら、親たちが勝手に祝えばいいだけの話です」
困った子だ。
生意気にもほどがある。
と思いきや、そうでもなかった。
案の定、というか。
「わたし、3月末なのよね。
子どものころはイヤだったわ。
学年でいちばん遅かったし、春休みだし」
2人きりのときにわたしが言うと、彼はパッと目を輝かせた。
「それなら、3ヶ月と数日は年齢差が1つ縮まるんですね」
何それ、と思わず笑ってしまった。
ロジカルを売りにする彼らしからぬ発言だ。



