CHEEKY X'MAS―愛しの生意気エイティーン―



花火大会の夜。

パン、と音を立てて空に咲く花火を見上げながら、きれいね、と月並みなことを言ったら、彼らしい答えが返ってきた。


「ただの炎色反応ですよ」


やっぱりねって、思わず笑って。

続く言葉に、息を呑んだ。


「あなたのほうがきれいです」


思わず見上げると、彼は真剣な顔をしていた。


「付き合ってもらえませんか?

あなたのことが好きなんです」


余裕ぶった笑顔の仮面を、そのときの彼は付けていなかった。

声が震えていた。

あまりにも驚いて。

「考えさせて」としか言えずにいたら、彼は泣き出しそうな横顔を見せた。


わたしの前でだけ、彼は正直だ。