「今日、未成年のぼくがいて邪魔だったんじゃないですか?
あのマスターって人と、あまりしゃべれなくて」
「変な言い方しないの。
カウンターにいた女性、マスターの奥さんよ」
相変わらず、ため息。
つないだ手は、いつも以上にふわっとした握り方が頼りない。
「自信がなくなるんです。
あなたといると、経験したことない場面ばかりで、正解の出し方がわからなくて」
最近、理解した。
わたし以上に年齢差を気にしているのは彼のほうだ、と。
付き合うと決める前は、わたしは後ろめたくて、恐れ多いようにも思っていたけど。
角を曲がると、緩みがちだった彼の歩調は完全に止まってしまった。
わたしのマンションが見える。
夜道のデートは、もうすぐ終わる。
わたしは、自分の部屋を見上げた。
明かりはともっていない。
同居人である弟からは、不良ボーイは今夜帰りませんのでごゆっくり~、とメッセージをもらっている。



