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クリスマスイヴのデートとはいえ、高校生を夜遅くまで連れ回すわけにもいかない。
常識的な時刻にお店を後にして、わたしの家へ向かう帰り道。
隣を歩く彼が、何度目かのため息をついた。
わたしは苦笑いしか出てこない。
「何がそんなに気になってるの?」
答えてもらわなくても、だいたいわかるけど。
帰り際、お会計をしてくれたマスターとわたしの会話が引っ掛かってるんだと思う。
珍しくノンアルコールだね、彼氏は年下?
たったそれだけ。
でも、繊細な少年をいじけさせるには十分だったみたい。
「本当に行きつけなんですね、あの店」
軽く唇の尖った横顔が、わたしを見ずに言った。
「一人で気楽においしいお酒が飲めるお店って、けっこう貴重なのよ」



