「前倒しですけど、クリスマスプレゼントです。
確か、ほしいと言っていたの、これですよね?」
「わたし、きみの前で何かほしがったりした?」
「開けてみてください」
受け取って、包装紙を解いて、小箱を開ける。
ダークグリーンの石が付いた、シルバーのピアスだった。
確かにわたしが気になってた、ちょっと上等なブランドの新作ピアスだ。
「ありがとう。
でも、どうして?
わたし、これ……きみには何も言ってないのに」
「雑誌で、ずいぶん熱心にチェックしてたでしょう?
ページ数と、視線が向かっていたおおよその位置を覚えていたので、後で確認しました」
彼は、ずば抜けて目がいい。
単純な視力だけじゃなくて、観察眼がとにかく鋭い。
「高かったんじゃない?」
無粋だけど、思わず訊いてしまった。
今日やっと18歳になった男の子が買うにはお高いブランドだ。



