年下の男の子と付き合っている。


待ち合わせ場所はいつも、彼の高校の近くにある本屋。

進学校の受験生の彼は、12月にもなれば、毎日遅くまで放課後補習がある。

仕事上がりのわたしのほうが、今日も早かった。

ファッション雑誌を眺めて時間をつぶす。


デートの待ち合わせをするのは何度目だっけ、と記憶をたどる。

案外しょっちゅう会っていることに気付いて、こっそり微笑む。


ファミレスで晩ごはんを食べる。

手をつないで歩く。

公園でキスをする。

ゲーセンで遊んでみる。

服屋を冷やかす。

夜は遅くなりすぎないうちにバイバイする。

少し浮かれた気持ちで「おやすみ」のメッセージを送る。

返信代わりの不意打ちの電話に、ときめく。


わたしまで高校生に戻ったような、彼との距離。

わたしは満足してるつもり。

でも、彼が背伸びをしたがってるのも感じる。

どうしようかな、と思う。

彼と同い年の弟からは呆れられてる。

あんまり焦らすと爆発するよ~、と。