三問目が解けた。



そのままだった、なんのひねりもない。

数えるだけ。


もしかしたら、無理して謎を作ったのかもしれない。



無理をしてまで、することなのだろうか。



ますます、ひかるが分からない。



ひかるは学校の屋上からの飛び降り自殺だったらしい。



屋上には、遺書もあり、きちんと靴もそろえられていた。



病院に搬送されて、数日後に亡くなった。



お葬式は家族のみ。



結局、私は、お別れも言えなかった。



だから、いまだに実感がない。



ひかるが死んだということを受け入れられていない。



もし、私が病室や式場の、ひかるに会えていたら、なんて声をかけただろう。



ごめんね。

ありがとう。

勝手に死なないで。

向こうでは元気で。

さよなら。



どれも違うような、

ぜんぶ正解のような、


やはり、漠然としている。



こんなもやもやした気持ちを抱えたまま、私は、この先の人生を送るのだろうか。



親友が死んだという思い出を、死ぬまでのあと何十年も背負わないといけないのか。



おそらく、何かあるごとに私は、ひかるを思い出すだろう。



それこそ、呪いのように。



ひかるは親友だ。


親友だった。



だから、忘れたくない。

でも、人の死を抱えるには、私は、まだ人間ができていない。



こんなことを考えているのもイヤだ。



もし、ひかるがいたら、きっと支えてくれたのだろう。



もう、ひかるはいない、甘えてはいけない。




私は、次の封筒を開けた。







封筒には、『D』と書かれている。



「え………?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

✖の数

 一=0
 二=0
 三=0
 四=0
 五=1
 六=0
 七=1
 八=0
 九=1
 十=?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー