ひかるの部屋の窓を開ける。




少し冷たい夜風が、私の髪を撫でる。




身を乗り出す。



さすがに、マンションの12階にもなると、少し怖い。



 ・・・・
「えーと……」


どうすべきなのかを考える。


いや、考えるまでもない。


全ての答えは、もう出ていた。




今なら、ひかるの意図も分かる。


私に何を伝えたかったのか。

なぜ、謎を作らないといけなかったのか。



答えが分かれば、全てのつじつまが合う。

感じていた違和感が、当然のものになっていく。



出てきた5文字。


『     』


つまり、そう言うということは、

そういうことなのだ。



風が髪の毛と遊ぶ。


遠くまで家々の明かりが、星空のように続いていく。


ひかるを思う。




やっぱり、


さようならは言わない。













      『おわり』