ちょっと頬が火照る…。ブランは何が可笑しいのかその様子を見てまたケラケラ笑う。

「とりあえず、少なくともこの世界には、君のもといた世界とは違う生き物が生きているんだ。」

ブランが話をもとに戻した。命題は昨晩の黒い巨大生物を思い出せば明らかだ。

「…それは、そうね。そういう意味では異世界だわね。」
「まぁ、他にも君にとって異世界な要素はたくさんあるはずだけどね。」

その言葉で、私はブランの服装に目をやる。怪物並みの異次元さではないけど、この格好は…。

「…コスプレかなんか?」
「こすぷれ?」

反応の様子からどうやら本当にコスプレが何たるかを知らないようだ。

「これはえー…と、図書館の職員の制服だけど。」
「図書館?」
「うん。オレ図書館で働いてるんだ。」

どんな派手な制服だよって私が驚くのをよそに、ブランが話を続ける。

「図書館でさっきみたいな魔物を倒すのがオレの仕事。」

なんか突拍子もない話になってきた。