Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

ヒロトくん。

エリの幼馴染みだ。
あことエリよりも2つ年上。

中学生の頃、やたらと目立っていたから知ってる。

背が高めで、中学生とは思えない位の身なりをしていた。

ハッキリ言って、ギャル男。
いつもヘラヘラ笑っていて、チャラチャラしている印象しか残っていない。

中学生のくせに、その容姿のお陰で、ヒロトくんを知らない人は居なかったと思う。

ちなみに、エリとヒロトくんは、家がお隣さん同士だという事も知ってる。

それにしても、ヒロトくんから電話が来た途端、エリはずーっと笑顔のままだ。

“幼馴染み”だからなのかな?

「えっ?今から?
…う~ん、今、友達と一緒だから聞いてみないと分かんない。
ちょっと待って?」

エリは、助手席に座っているあこを見つめながら言った。

「ヒロト…知ってるよね?
実はさ、これから遊ばないかって言ってるんだけど…。

あ!もう1人…友達も一緒ならしいんだけど。
どうする?断っとく?」

…これが、あこの平凡だったはずの運命を変えた瞬間だった。



ねぇ、あっちゃん?
あの時、あの誘いを断っていたら…

いつもなら、絶対断るはずの男の人からの誘いを…

あの日だけは、なぜか、OKしちゃったんだ。
何かに導かれる様に…

もし…
もしも…

いつもの様に、断っていたら、私達はこんな風になっていなかったのかなぁ…?

ね、あっちゃん?