Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

「「しなーいっ!!」」

2人でわざとらしく声を揃えた。

最近は、しつこいナンパから逃げ切るコツもつかんだ。

チョロイ!

ナンパを上手くかわしたあことエリは、夏の暑さから逃げる様に、時間も忘れて遊んだ。

海で泳いで。
焼きそばを食べて。
また、海で泳いで。

砂浜で語ってみたりして。

『うわ!見て、エリ!!
海が真っ赤だぁ~!!』

「てか、夕方だし!!
ウチら、どんだけ体力あんのよ~!ウケる~!!」

気付いた頃には、海の向こうで真っ赤な夕日が沈みかけていた。

エリと遊んでいると、時間経つのが早すぎる。

長い1日があっという間だ。

「そろそろ帰ろっか!!」

『うん、あっとゆ~間の1日だったよねぇ~!!』

もっと遊びたい気持ちを堪えて、人気の無い場所を選んで着替える事に。

着替え終わって、車に乗り込むと同時に、エリの携帯電話の着信音が鳴り響いた。

エリは、誰からの着信なのかを確認した後、笑顔になりながら電話に出た。


「…もしもーし!ヒロトじゃん!!
どうしたの?
超久しぶりじゃない?」


あぁ、知ってる。