Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

―――花火大会。

夏の夕方は好き。

暑いけど、ゆっくり、ゆっくりと太陽が海に沈んで行く……

その瞬間が好き。

pm. 6:00

カラン…コロン…
カラン…コロン…

あことエリは、お揃いの浴衣姿で待ち合わせ場所の海岸へ向かって歩いていた。

夏の海岸線沿いは、潮風が夕日に溶けて、心地いい。

花火大会は、あこの家から歩いて15分くらいの、近くの海で行われる。

待ち合わせ場所は、その海の入り口。

毎年、凄い人が集まって身動きを取るのが大変だから歩いて行った。

「あれーっ?アイツらまだ来てなくない??」

『ぽいね!でも、もうすぐ来るんじゃない?』

会場に着くと、人、人、人。

こりゃ、エリとはぐれたらおしまいだな。

黒地に、薄い紫色とピンク色の小さな撫子の花柄の浴衣。

先月、エリとお揃いで買った浴衣。

なんとなく、仕草まで女の子っぽくなるから、浴衣って不思議。

それにしても、凄い人だぁ……
まぁ、毎年の事なんだけどね。

「あこ、はぐれないでよ~?あこはすぐ迷子になるんだからぁ…」

ギュッ
エリは、あこがはぐれてしまわない様に手を繋いでくれた。

エリは、こういう時、あこのお姉ちゃんみたいだ。

『大丈夫だってば♪』
あこも、ついついエリに甘えてしまう。

待ち合わせ場所で、あっちゃん達を待っていると、わたあめを持った2人組の男が近付いて来た。

「おぉぉ~☆
浴衣…いいねぇ~!!」

ヒロトくんの目は、エリに釘付け。
しかも、その目はハートになってる。

ヒロトくんて…分かり易す過ぎ!!…でも、それに気付いてないエリも、鈍感。