『あぁ…あっちゃ…ッッ…グスッ…』

ドサッ………
あこはその場になだれ込むようにうずくまって泣いた。

痛いくらい伝わってくる。
あっちゃんの精一杯の優しさ…。

あの日、何が何でもあっちゃんの背中を追っていたら…

何が何でも、離れないでいたら…

あっちゃん?
あなたは、あの最後の日、どんな思いで、あこを手放したの?

一人でどんなに苦しんだの?


「あこ!!」
追って来たのはケンだった。

あこが行きそうな場所なんて、この公園以外に思いつかなかった。

「大丈夫か?…急にいなくなるなよ…
心配したッッ…。」

ケンはあこを抱き締めようとして手をのばした。

『ケン!!あっちゃんは…あっちゃんはッ………死んじゃうの?

あこ…あの時、あっちゃんから離れなかったら……』

「死なない。死なないよ!絶対!」

あこを抱き締めようとして手を引っ込める。

あこは、まだアイツの事が好きなんだ。

…いや、俺は分かってたはずだ。

俺と一緒に居ても、あこの心は…

俺と一緒に居ても、あこの体は……

いつも、アイツの所にあった。

それでも、俺は見てみぬふりを続けて来た。

あこを苦しめていたのか……?

今、泣いているあこを見て、それでも離したくないと思う自分は…
どこまで欲深いんだ…