Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

あこはキョトンとして有美の顔を覗き込んだ。

「ハッ………?」

有美は切長の大きい目をもっと大きく見開いた。

優しい、母親の顔をしていたはずの有美の話し方が急激に変化した。

サワサワ~
サワサワ~

桜の木が有美と一緒に話だした。

「…あこちゃん、あなた…何も知らないの!?」

有美はあこの肩に両手を乗せて、力一杯ぐらぐらと前後に揺すった。

「ねぇっ!!!
何も…何も聞いてないの!?
答えてッ……」
有美の目が必死に何かを訴えている。

『…あの…何を…ですか?』

ドクン…ドクン…

なぜだろうか…
なぜ、こんなにも不安になっているんだろう……
あこの鼓動がざわめきを増していく。

有美は、あこの肩から両手をスッっと下ろした。

「………ハァッ…」
有美は焦っている様な溜め息をして、相変わらず長い綺麗な髪の毛を片手でかきあげた。

「そう…アツシ、何も言ってないのね……
私は、あこちゃんに言ったとばかり…。

…バカね、アツシはとことんバカねっ!!

…こんな時でもあこちゃんの事だけしか考えてないなんてね…」

空を見上げる有美を見ると、目に一杯に涙がたまっている。

今にも溢れそう。

『何ッ!?…何かあったんですか??』

ただ事じゃない。
…そんな気がする。

有美が全てを知っている。

エリとケンも、ただ事じゃない事は雰囲気だけで感じとっていた。

怖い…
怖いけど……

知りたいんだ。
今、聞かなければいけない気がするんだ。

あっちゃんの全てを。

あっちゃんが、あそこまでして、あこを傷つけた理由を…