Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

『……ック…分からないッ…』

ケンは全てを悟った様に優しく、笑顔を見せた。

「スノードロップ…。
ホントだなっ!“あこの花”だ。
あこ、そのものだッ(笑)」

…そう言って…あこの頭をくしゃっと撫でた。

『…えっ…?』
ケンを見上げた。

ケンはとっても…とっても…寂しそうで、悔しそうな顔をしていた。

ケンが一呼吸置いて、話だした。

「花言葉は…希望。なぐさめ…楽しい予感。
別名は…待雪草。…雪の花。

…この花は…アダムとイブの二人が、楽園を追放されて、困ってた時に降ってきた雪を…………
天使がこの花に変えて降らせたっていう話があるんだ…」

『…ぅぁぁぁっ…ヒッ…』
あこは泣き崩れてしまった。

希望…?
あっちゃんは、この花に何を望んだの?


なぐさめ…?
誰をなぐさめたかったの?あこ?自分?


楽しい予感…?
何もなかったよ…
あっちゃんが離れてから、苦しい事ばっかりだった。

…ううん、知ってる。
きっと…あっちゃんはあこの幸せを祈ったんだね。
この小さな花に想いを託したんだ。