Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

間違いない。
間違いなかった。

これは…あっちゃんの字だ!!

その時……
「あこっ!!」

あこの後ろで男の声がした。

振り返ると…

『…ケン…』

肩で息をしたケンが立っていた。

『…ケン!どうして、ここ…?』

泣いて雪の上に膝を落としているあこを見て、ケンが走り寄って来る。

「めちゃくちゃ探したッッ!!…ハァッ、ハァッ…
なっ…何してるんだよ?
何があったんだよッッ…」

そして、あこの体の先を除き込むケン。

「…!なっ…!」

ケンの目に飛込んで来る。

《あこの花》

小さな小さな、真っ白な、弱々しくて、強く咲き誇る…一輪の花。

『ダメッ!!
見ないでッッ!帰ってよぉっ………』

あこが泣きながらケンに叫んだ。

ケンは、ゆっくりと、花壇の前にしゃがみ込んだ。

そして、小さく…寂しそうに笑った。

「あこ…この花、何の花が知ってるか…?」
ケンは、人指し指でちょこんっと触れた。