「フフッ♪オッケ~!!」

エリは、一瞬驚いた様に目を大きくしたけれど、直ぐにニヤリと白い歯を見せた。

「も~しも~し、ヒロト!!OKだってぇ~!!

今、ヒロトのケータイにあこのメアドと番号送るからぁ♪
後はよろしくっ!!」

エリは、電話を切るなり携帯電話をいじり始めた。

運転しながらメールを打ってる…器用だぁ。

「よしっ!!送信完了しましたぁ~!!」

『フーン…』

そっぽを向くあこを見て、ニタニタと笑うエリをわざとらしく無視して、夜明け前の真っ暗な外を見るフリを続けた。

景色なんて全く覚えてない。

気付いた時には、もう家の前に着いていた。

「じゃ、またメールするね♪
あっ、アツシくんからメール来たら教えてよね~?」

『わっ…分かってるよっ!!
じゃあねっ!』

「ほ~いっ♪おやすみ~!!」

ブゥゥゥ~

エリが運転する車が走り出した。

パカ、パカ、パカ…

角を曲がろうと、エリは右にウインカーを出している。

赤に近い、オレンジ色の光りが蛍の光りの様に点滅して輝いて見えた。

…パタン

エリの車が見えなくなったのを確認して、家の中に入り、真っ直ぐ自分の部屋へ向かった。

ドサッ

部屋に入るなり、鞄を床に放り投げて、ふかふかのベッドに飛込んだ。

バフッ

『ふぃ~、疲れたぁ~…』

久々にはしゃいで、おもいっきり笑ったあこは、直ぐに眠りに就いてしまった。

あっちゃんからのメール、来るかなぁ?