Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

『…おでこじゃなくて………こっちにもして?』
あこは自分の唇に人指し指を当てた。

「なっ!!…何言って………!!」

『ダメ…?』
あこは恥ずかしくなってうつ向いてしまった。

そっ…

…………!!
ケンはうつ向いているあこの顔を上に向かせた。

トクン…
ケンの真剣な目を見つめたら胸が高鳴ってしまった。

ちゅっ…

ケンとの初めてのキスをした。

体は冷えきって冷たいのに唇だけが熱かった。

ケンは恥ずかしそうに頭を掻きながら帰って行った。

今にも雪が降りだしそうな、灰色の空。

冷たい風かあこの頬を優しく撫でて行った。

灰色の空が澄んでいるのを初めて見た。