Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

『…じゃぁ、また明日ねっ?
送ってくれてありがとねっ☆』

大学からの帰り道もケンが一緒だった。

あこは玄関の手前で軽くケンに手を振った。

「あこ、待って!」

チュッ…
あこのおでこにケンの唇が軽く触れた。

ドキッ…
『あっ…』
あこは赤くなりながら、ケンの唇がふれた部分にそっと手を当てた。

「じやぁ、また明日なっ!」
ケンは真っ赤になりながら、あこに背を向けて走り出した。

ケンはきっと、分かってるんだ。

あこの中にはまだあっちゃんが沢山いること。

だから、おでこにしたんだね。

『ケン!待ってっ!!』
気が付いたらケンを呼びとめていた。

「なっ…何?どーした?」
振り向き、立ち止まったケンは不安そうな顔をした。

「…嫌だった?
ごめんな…あこが嫌ならもうしないよ!
あこがいいって言うまで何もしない。」

いいんだよ、ケン。
ケンは…あこに気使いすぎだよ。

もっと、強引に気持ちをぶつけてほしいよ。

…じゃないと、あこは気持ちが揺らいじゃうよ。

ケンなら、大丈夫だから。