Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

「よっしゃ!!
大学まで走るぞっ!」
ケンがあこの手を引いて走り出した。

『えっ…えぇー!!
あこ、ブーツだから走りずらいんだけどー!』
あこは露骨に嫌な顔をした。

「おっ…さっそくワガママだな?(笑)」
ケンは大学まで、ゆっくり歩いてくれた。

あこの歩幅に合わせる様に…
ゆっくりと…

寒いはずの12月。
あこの心はかすかにポカポカし始めていた。


エリはあことケンが一緒に教室に入ってくるのを見て、嬉しい中に寂しさを感じていた。