Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

「よし…いい子だな…」
あこの頭をゆっくりと一度だけ撫でた。

「二月になったら…そうだな…二月の十五日、あこはここに一人で来るんだ。
そんで、この花壇に咲いてる花を見て欲しい。」

『え…一人?どうして?
あっちゃんも一緒に来るよねっ!?』

あっちゃんはまた首を横に振った。

『どうしてッ!?』
あこはあっちゃんの腕にしがみついた。

「あこ…落ち着け!
…俺は…もう、あことここに一緒には来れないから…」

『えっ…?』
あこは自分の耳を疑った。

体からは血の気が引いていった。
頭の中は真っ白。
立っているのもやっとだった。

「あこ?…俺とあこは、今日、ここで終わりなんだ。
さよなら…なんだ。」
あっちゃんは、自分の腕にしがみついているあこの手をそっと離した。

『…ッ…嫌ッ!!何でっ!?』

どうして?
分からないよ…
あこ、何かした?

あこの目からは涙がポロポロと溢れている。

「…ッ…!!」
あっちゃんは、あこを抱き締めようとする自分の腕を必死で抑えた。