Snow Drop～天国への手紙～（上）【実話】

『ううんっ！何でもないのっ！！』

あこはわざとらしく笑顔を作った。

「無理すんなよ…
俺は、あこを見てきたから分かるよ。

こんな時に言うのは卑怯だけど…俺は、代わりになれない？
俺は泣かせたりしない。」

ケン…
いつも優しい。
高校の時からずっと優しい。
ありがとう。
…でもね？

でも、あこは、どんなに傷つけられても…
悲しませられても…

あっちゃんじゃないと、うまく笑う事も出来ないんだ。
ごめんね………
『ごめん…ね…』

「…そうだよな(笑)
ごめんな、変な事言って…」

『ううんっ！
今日ぶつかったのがケンでよかった。
ありがとね？

……そろそろ帰るね。』
ベンチから立ち上がってﾊﾞｯｸを持った。

「でもっ…俺は、待ってる。
あこが寂しい時とか…俺の事、利用して？
気持ちは変わらないから。」

あこは微笑みながら首を横に振った。
小さく手を振って、ミニ公園を後にした。