Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

「今っ…駅の東口にいるんだけど…けどっ…
何か…車から男が二人出てきて、あこ姉の事…っ。
無理矢理連れてった!…どーすりゃいいのっ?俺っ!!」

――――!!!
「あこ…」
プッ…
あっちゃんはケータイを切って車を駅の駐車場に置いて走った。
エンジンも切らずに。
…あこが連れ去られた場所へ。

「ハァッ、ハァッ…」
駅の東口に着くと、あこのバックを抱きかかえて座り込んでいるユキ。
ただ呆然と立ち尽くしている卓ちゃんをみつけた。

「…!オイッ!卓!」
「兄キっ!!」
卓ちゃんの目には薄く涙がにじんでいた。

「いつだよ?
いつ連れてかれた?」

「今っ!たった今!!」

あっちゃんは唇をキュッっと噛んでうつ向いた。
「ちっくしょ…」