Snow Drop～天国への手紙～（上）【実話】

「あっ!紹介遅れました～!!
俺の大親友の“ｱﾂｼくん”で～す!!」

「どうもー。」

ﾋﾛﾄくんの紹介と同時に、気だるい様な…

でも、低くて、優しい男の人の声が、あこの耳に飛び込んで来た。

すると、その“ｱﾂｼくん”がﾋｮｺｯっと屈んで運転席側の窓枠から顔を出した。


…ドクン……

心臓が止まったんだと思った。

だって、あこの心臓に、何か鋭い刃物の様な物が突き刺さった。

眩しい。
目の前がｷﾗｷﾗと輝き出した。

やっぱり背が高い。
きっと180cmはある。

背の低い事がｺﾝﾌﾟﾚｯｸｽのあこには分かるんだ。

金髪に近い、明るい色の髪の毛。
短髪で、ﾂﾝﾂﾝにセットされた髪型。

目は決して大きくはないのに、吸い込まれる様な、ｷﾘｯっとした、優しい目。

笑うと目尻が垂れ下がって、口元に八重歯が見えた。

何?どうして?
この人から目が離せない。

一瞬…目の前が輝いたんだ。
あこの体に、強烈な電気が走ったんだ。

まさか…これが、あっちゃんとの運命の出逢いだったなんて…

ねぇ、あっちゃん?
そんな事、誰も分からなかったよね?

これが、あこにとって、最初で最後の本気の恋だったなんてね？

誰にも、分かるはずなかったんだ。