Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

ガチャ……バタンッ!!

ギラギラと黒光りする車の助手席側から、1人の男の人が降りて来たのが分かった。

長めの髪の毛を無造作にセットしていて…

あの軽い外見は…

ヒロトくんだ!!

…て事は…何だぁっ!
ヒロトくんの車じゃなかったんだぁ!!

…でも、待てよ?
と、ゆう事は…ヒロトくんの友達がヤンキーって事!?

あ~っ…どっちにしろ、断っとくべきだったよ~!!

バタンッ!!!

この音…。

どうやら、ヒロトくんの友達も車から降りて来たらしい。

ドアを閉める音が聞こえて来た。

あこの座っている助手席の位置からは、車の陰になってしまっていて、ヒロトくんの友達は見えない。

うわぁ~…バリバリのコテコテのヤンキーだったらどうしよう!!
怖いんですけど…

「オース!エリ!」

エリのお姉ちゃんの車の運転席窓枠に、両肘を付いて中を覗き込むヒロトくん。

うわっ!!
全然変わってない!ギャル男のまんまだし!

軽そう…肌なんて黒いし。

あこはギャル男が苦手。
その、チャラチャラした軽い雰囲気が何とも好きになれない。

不機嫌な表情のあこと対照的な、笑顔のエリ。

「オス!ヒロト!!
全然変わんないねぇ!ギャハハハハッ…」

エリとヒロトくんは、家がお隣さん同士のくせに、久々に会った様な…ちょっぴりぎこちない会話をした。

「あれっ?そっちに座ってる…あこちゃんじゃない?」

ヒロトくんが、助手席にちょこんと座っているあこを覗き込んで来た。

げ!!こっち見てるし!!
あこは、冷ややかな視線をヒロトくんに送った。

『はぁ…どーも…』

うぅわっ!!
近くで見ると、ますます軽そうに見える。

…てか、あこの事、知ってるんだぁ…

別に知らなくていいんですけどっ!!