Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】

『…別にいーよっ!OK☆』

エリの幼馴染みだし、全く知らない人じゃないし…

暇だし、別にいっかぁ!!

エリは、少し驚いた表情をして、ヒロトくんに返事をした。

「…もしもし?いいよ!!OK!
で…何処で待ち合わせ?」

電話を切った後、待ち合わせ場所まで車を走らせた。

海を出てから、約10分。

エリが運転する車が停まったのは、あこもエリもよく使うコンビニの駐車場だった。

「あっ!!いたいた!!
あの黒の車だよ!」

エリの人指し指が示す方向を目で追って行く。

――――!?

え~!!マジ!?

思わずギョッっとしてしまった。

パールブラックのセダン。
もう、辺りは薄暗いのに、眩しい程にギラギラと光を放っている。

車高が有り得ないくらい低い。

今にもアスファルトの地面にベッタリと着いてしまいそう。

窓はフルスモーク。


怖いんですけどっ!!

あこは、ごくり…と音を立てながら、ゆっくりと唾を飲み込んだ。

車持ちの友達はいるけど…
いわゆる、こんな“改造車”に乗ってる子なんて、あこの知り合いには居ない。

ヒロトくんて…ただのギャル男かと思ってたけど。

実はヤンキーだったのか…

あ~ぁ、やっぱり断っとくべきだったよ。