千尋との思い出が溢れてきて。



泣いて、泣いて、泣いて。



流れる景色を見ながら思った














普通の女の子になりたい、と。




ごく普通の何も取り柄のない子に。




そうすれば今だって、千尋と一緒にいられたかもしれないのに。



婚約者がすごいものだなんて思えない




それは、本当の幸せじゃないと思うから




見つけた幸せじゃなくて作られた幸せなんだ




蒼じゃ不満なわけじゃない




私の本当の幸せは千尋とじゃないと掴めないことに気づいてしまったんだ




もう千尋は私のもとにいない。




彼は新しく違う女の子と、私じゃない誰かと幸せになるだろう




そのとき、私は笑っておめでとうって言えるかな?




私も、千尋も、




別々に違う場所で変わっていくんだね




そう思うと少し、悲しくなった