「千尋、ごめん。私行かなきゃ。……ごめんね、来てくれてありがとう。」




「ん?ああ、お嬢様は大変だな」




「あはは。お父さんに怒られるんだよこのあと」



勝手に抜けだしたからね。



「ふーん?」



あまり興味がなさそうな彼。



「じゃあね、千尋。」



「ああ、さよなら奏。」




またね、そう言えないのがこんなに悲しいなんて。




私は店を出た




店を出ると一気に涙がこみ上げた。




「まだ、好きなのになぁ……っ!」




「お嬢様、行きましょう」




彼女に肩を抱かれ車へ入った




私の涙が止まることはなかった