この寒さの中、待ち続けるであろう千尋を想像しては胸が痛かった



「連れていかれた会食で待っていたのは、私の婚約者という人だった」



『はじめまして、奏さん。』



彼……金城グループの御曹司である金城蒼はそう言った



『はじめまして…』



どちらかと言えば人見知りの私は小さな声で呟いた



『緊張しないで、奏さん。』



蒼さんは優しかった




『さあ、話を進めようか』



そう話を切り出したのはお父さんだった



『グループ合体となれば私たちに入るお金は多大なものとなるだろう』




『そうですね、その会社を動かすのは奏さんと蒼になる。…そういうことですね?』




『ああ。』




ちょっと、待ってよ?



合体?それは、どういうこと?