どこに? そう聞きたかったけど 「いって、らっしゃい?」 曖昧にそんな返事をしていた 「ああ」 千尋くんは走っていった 「いっちゃった」 なんだか取り残されたような悲しさがこみ上げた 倉庫に戻ると、みんなが雑魚寝をしていた 「おかえり、花恋。……千尋は?」 たった一人だけ、裕翔は起きていた 「なんか、どっか行っちゃったよ?」