「そろそろ時間だ。じゃあ僕は行くよ」 櫻田先生は手をひらひらさせながら去っていった。 ―――――なんか、かっこいいなぁ。 人生を経験してきたからこそ、ああいう言葉が言えるんだと思う。 櫻田先生のいうとおり、じっくり考えてみよう。 未来を見据えて。 その未来には花恋がきっといるはずだから。 俺は透にLINEをした 〈ごめん、先帰るわ。〉 俺は歩き出した。 家に向かって。 花恋と一言しか会話を交わせないままだったけど… 時間はまだ、あるんだ。