別れるための28日の蜜日

唖然とする律人に告げて、相沢さんに会釈してから、そのまま外に出る。

エレベーターまでは走ることも我慢してたけど、乗った途端に涙腺が崩壊した。

「っく、ひど、律人‥‥ひどいよぉぉ‥‥」

誰も乗っていないのを幸いに遠慮なく、大声で叫んで泣いた。

これでいい。律人の事を考えたらこれでいい。でもやっぱりツライよ。

わかってるのに、良かったと思うのに、それは嘘じゃないのに。でも誰も責められないツラさは鋭い痛みになって、私の胸に突き刺さる。

マンションから出て、ふらふらと歩いた。相沢さんと律人が話す間の時間を潰さなきゃいけない。

偶然見つけた公園のベンチに座ってから初めて、自分が上着もスマホも持ってない事に気付いた。

「くしゅんっ!」

2月の寒さはナメちゃいけない。ほんの数分で体が冷え切ってガタガタと震えてきた。

「これは‥‥ヤバイ、かな」

多分、後10分いたら風邪を引くだろう。