別れるための28日の蜜日

「あ、うん。じゃあそっちまで行くから」

夕方、まったりと2人でテレビを見ている時になった律人のスマホ。同期の飯島君から、DVDを貸して欲しいって話みたいだ。

仲の良い友達と言えども恋人との同居がバレるのは恥ずかしいらしい。
部屋まで取りに来ると言う飯島君に、近所のコンビニを伝えてそこで渡す約束をしている。

「ついでになんか買って来る?」

上着に袖を通しながら聞いてくれる律人に、お気に入りのアイスを頼む。

「そういや、頼んだ通販が宅配で届くかも。インターホン鳴ったら出といて」



そう言って律人が出かけた10分後には、ホントにインターホンがなった。

「はーい。どなたですか?」

宅配だと思い込んでたからモニターの確認さえしなかった。いつもならインターホン自体、出たりしないのに。

「あれ?あ、あの、こちら稲垣律人さんのお部屋ではないですか?」