別れるための28日の蜜日

店に入った私は、わぁっ!と小さく声をあげてしまった。

ショーケースに並ぶキラキラした色とりどりのケーキ。フルーツもツヤ出しのゼリーを塗られて食欲をそそる。

「この景色を見るだけでもストレス解消になりますよね」

私の隣で嬉しそうに町田さんが呟く。うっとりとしたその表情にも声をあげそうになって、急いで飲み込んだ。
町田さん、ホントにケーキ好きなんだなぁ。

ケーキを前にした町田さんは、まさにハチミツを前にしたプーさんだ。

席に案内された私達は、それから心ゆくまで、時間制限いっぱい使ってケーキを堪能した。





結局、町田さんが奢ってくれた。払いますと少し強めに申し出たけど、

「後輩の女の子に割り勘はカッコ悪いでしょ」

と受け取ってもらえなかった。

そう言われると、それ以上はこちらも強く出れない。