別れるための28日の蜜日

「主任、すいません!お待たせしました」

小走りで駆け寄ると、町田さんが微笑んでくれた。

「そんな急がなくていいよ。お店の予約時間までまだ余裕があるし」

なんと、お店の予約までしてくれているのか!町田さんのマメさに驚いてしまう。

「癒されに来たのに待たされるのイヤじゃない?ここ、平日でも人気あるからね」

町田さんが連れて来てくれたのは人気のケーキ屋さんがやっているケーキバイキングのお店。スイーツのバイキングといえばホテルのレストランのイメージだったから、最初はちょっと意外なセレクトだと思った。

でも気遣いの人町田さんだから。きっと私のために勘違いされる可能性をなくしてくれたんだろう。男女が2人でホテルに出入りするのを見られたら噂のタネになり得るから。

「じゃあ、入ろうか」

そんな気遣いなんか少しも感じさせない顔をする町田さんは大人だ。

「はい。ありがとうございます」