別れるための28日の蜜日

その話って律人も知ってるんだろうか?


いやいや、知ってて私をパーティーに連れてきたりはしないでしょう。そんな悪趣味なオトコじゃない。


自分の顔の前でないないっと手を振っていたら、いつの間にか律人が目の前に立っていた。

「百合、何してんの?」

「え?‥‥ああ、なんでもない。律人はもう大丈夫なの?」

「うん、ちょっと叔父さんの友達に紹介してもらって挨拶してきた。今度、仕事でもお世話になる人だからさ」

「‥‥‥律人、もうすっかり専務さんなんだね」



そっか。律人はちゃんと前にすすんでるんだ。御曹司ってだけでその立場にいるんじゃなくて、責任持って仕事してるんだね。



律人が急に物凄く遠い人に感じて、心の中に重くて大きな塊が沈んだのを感じた。