えっ……?

驚いてなっちゃんの横顔を見上げる。

すると、夕日のせいか、頬が赤くなっているように見えた。


「あっ………」


なっちゃん……。

ここで何か言ったら、なっちゃんはこの手を恥ずかしがって離してしまう気がする。

それは、なんだか寂しい……だから……。

私は、なにか言おうとして開いた唇を、そっと引き結んだ。


そして、握られたら手の温もりを少しでも長く感じられるように、強く握り返したのだった。