絵里子さんの後輩のまいちゃんがバイトの木田の彼女を誘っていた。
バイトが終わったらこちらに合流して一緒に飲もうと。

木田や井出と話をしていて、木田の彼女がここにいると聞いたらしい。

彼女の前で他の女性達と飲み会をする木田ってどうなんだと思っていた俺はまいちゃんの配慮に感心していた。

それは絵里子さんも同様だったらしい。

まいちゃんと鈴木の間に移動してまいちゃんを褒めていた。

しかし、その後の展開は予想外。

少し酔った様子の絵里子さんがまいちゃんの頬に右手を当てて何か話しかけていた。

そのまいちゃんが引き寄せられるように絵里子さんの顔に口もとを寄せていくのが見えた。

え!
この角度って、キス?もしかして、キス?

「きゃあっ」

ぎりぎりのところで隣にいた鈴木が絵里子さんを背中からぐいっと抱き寄せ、絵里子さんは鈴木の胸に抱きとめられた。

他の女の子がまいちゃんにげんこつを落とし、美樹さんがまいちゃんを叱っていた。

絵里子さんが酔うとまいちゃんが絵里子さんにキスしようと襲いかかるらしい。

絵里子さんは鈴木に背後から抱きしめられて恥ずかしそうにしているが、鈴木は今まで見たことがないような笑顔を見せていた。

鈴木があまりに自然に絵里子さんを抱き寄せていたことに驚いた。
手慣れた様子に鈴木って女性が苦手だったわけじゃないってことがよくわかった。女性を近付けようとしないから勝手に女嫌いかと思っていたのだ。

「絵里ちゃん、こっちに来てなさい!」
美樹さんが自分の隣に絵里子さんを呼び寄せた。

「全く、毎回毎回懲りないんだから。あんたも警戒しなさい」
「ご、ごめんね」
美樹さんに怒られてシュンとする絵里子さん。

まいちゃんは度々酔った絵里子さんに抱き付いたりキスしようとするらしい。
まぁ、何というか、やりたくなる気持ちはわからないでもないけど…。

鈴木とまいちゃんが話をしているところを見た絵里子さんがまいちゃんに話しかけた。

「まいちゃん。なめたり噛んだりかじったりしちゃダメよ」
絵里子さんは笑顔で言ったけど、何か違和感を感じた。

私のだから手を出さないでね
って事ではないのか?

一方、言われたまいちゃんは
「はーい、了解でーす」と笑顔だったが俺と同様に違和感を感じているようだ。