"ガチャ"

「おせーよ!!」

「おーそーいー!!!」

口の悪いこの男は有岡 海(ありおか かい)。
そしてこの優しい男の子は菊池 陸(きくち りく)。

「ごめん!!奴がまた部屋にいて…」

「またへくさ虫事件かよ!!お前成長しねーな」

「うるさい!海!」

「お口が悪い女の子は嫌われますよ?あ!女じゃないか!(笑)」

「だまれー!!!!ばか海め!!」

「んぁ?俺がばかならお前はクズだな?(笑)」

「まぁまぁ、このままだとほんとに入学式遅れるよ?」

「あ!やばい!いそげ!!」

私は2人の袖を掴んで走った。

「うあ!おい!お前のせいで遅れたのになんでお前が先頭仕切ってんだよ!?」

「空が1番足はやいからじゃね?」

「陸…正論言うなよ。悲しくねーのかよ(笑)」

「空は昔から速いからさ!」

「ま、そーなんだけど。空に負けてるのが気にくわねーわ。」

「さっきから聞こえてるんですけど!?」

「うるせー!早く俺らを引っ張って走れ!」

「さっきと言ってること矛盾してるし。」

「うるせー!早くしろ!!」

「そっちも早く走りなさいよ!!遅すぎ!(笑)」

「お前なーーー!!!」

「なによー!!!」

「だ!か!ら!喧嘩してる暇あんなら走れって!!」

『はい。すいません。陸さん』

私と海は陸の言葉に負けて学校へと全力で走った。