やがて、頼んでおいたアイスコーヒーがテーブルに置かれた。

俺はひとくちアイスコーヒーに口をつけた。

喉の乾きがなくなり、咽頭が潤されてゆく。

俺は深呼吸をひとつし、間部見に話しかけた。

「さて、間部見 孝雄先生。

さっそく、お話を聞かせてくれませんか?」

間部見は何も言わない。

「......孝雄先生?」

それでもじっと宙を見つめ、俺の言葉なんてまるでうわの空だ。


「孝雄先生っ!」

俺は間部見の方を掴み、揺らした。

間部見はハッとしたようにこちらを見た。

「......心霊スポットについて、お話を。」

俺はため息をつきながら静かに問うた。

間部見は本当に申し訳なさそうに笑った。

「ああ、そうだそうだ。ごめんごめん。

では、なにから話そうか......。」


俺は是非、強力な悪霊がいた心霊スポットについて聞かせてくださいと言った。


間部見は手でオーケーマークをつくり、話し始めた。