探し者

咲希が、ペコリとして、みどりから、背を向けた。

「ごめんね。」

咲希だけが、言ってくれた。

みどりの取り巻きは、多分クラスの女子の大半と、他クラスまで広がっている。
つまり、沢山いるってことね。

だけど、「ごめんなさい」って、謝ってくれたのは、咲希だけだった。

―なんで?

咲希だけが、躊躇して。
咲希だけが、謝る。

いいよ。
いいよ。
咲希は、悪い子じゃないから。