探し者

「このクラスに、『私』って言う一人称を使う子なんて少ないわ。それに、あたしん家貧乏だから、なるべくメールじゃなくて、『メッセージ』の方を使わせてるの。」

「てことは、それを知らない子?」

「でもね。これを知らない子。女子は、優里しかいなかったよ。」

「……………………」

零が黙り込んだ。

「だから、このメール、優里からなんじゃ?って。」

「………………」

「鈴木!聞いてる?」