探し者

みどりが合図をする。
私は、一瞬、躊躇した。

みどりは構わず、優里の背中を押した。

危ない!
逃げて、優里!

でも、優里は逃げない。
逃げられない。

やめて!
やめて、みどり!

私は目をそらした。
優里が、ハァハァと言いながら、階段の踊り場で横たわっている。