探し者

「じゃ、優里。行こうよ。」

私はそこに留まろうと、必死で床につかまる。
無駄なのに。
わかってるのに。

あぁ。
馬鹿だ、私は。
こんな時に、頭が働かないなんて。

ホント、信じたくない。
信じられない。
馬鹿。
私も、彼奴(みどり)も。

「あ…………」