『それでだ。どちらの可能性も捨てきれない為、近藤さんと話し合って二手に分かれる事にした』



『……副長。どの様な分かれ方で?』


土方に、いつもは殆ど話さない斎藤が口を開き、皆土方の言葉を待つ。


そりゃあ、そうだ。
ここで、いつもは池田屋で会議が行われるため皆四国屋だと思っているのだろう。


確か、史実上だと土方が大勢を引き連れて四国屋へと向かった筈だ。



『では、四国屋と池田屋、そして屯所防衛の3隊を発表する。

先ずは四国屋…俺、井上さん、斎藤、原田、島田を中心に24名。

池田屋には、近藤さん、総司、新八、平助を中心に10名。

屯所防衛は、山南さんと山崎を中心に6名』



土方の発表に、思わずこの場が静まり返った。

それもそのはず。


幾ら何でも、四国屋にかける人数が多いからだ。
確かに、四国屋が本命の可能性はあるかもしれないが…。


近藤さんを入れた池田屋が10というのは、相当少ないのではないか?



それに、池田屋が本命だ。

……だが、少しずつ歴史が変わっている今、もしかしたら四国屋という可能性も捨てきれない。


『土方さん、それじゃあもし池田屋が本命だった場合、危険すぎやしないか?』


平助の言葉に他の組長方も頷いて肯定の意思を見せる。

もちろん、その中には僕もいるが。