大樹からの返信に気づいたのは、トイレのついでに携帯を確認した3時頃だ。

『悪い、今日は飲み会だ』

断られることだってしょっちゅうあった。ちくっと胸が痛むのを無視しながら、私もすぐに返信をする。


『飲み会が終わったら迎えに行くよ。大樹の気が向いたらでいいけど、うちに来れるなら連絡して』


典型的な都合のいい女に悲しくも慣れてしまっている。

この日の仕事終わりには私も同僚から飲みに誘われたけど、今夜は大樹を待つという予定ができてしまったのでそれを断った。


大樹からはあの後で『分かった』と返信があっただけ。

それだけでこんなにも舞い上がれる私はやっぱり幸せなのだろう。


この時点ではまだ大樹に会えるかどうかなんてわからないのに。