こうして気持ちを抑えていることで、私のヒロへの想いは徐々に消えていくと思っていたのに。


あの決意の日から、大きな気持ちの変化があったのは、私ではなくヒロの方だったんだ。

前みたいにヒロと目が合ったり、ヒロからの視線を感じることは、決意の日を境にだんだんと減ってきていて、今では全くと言っていいほどなくなっていた。


私は、こうなってから初めて気づいたんだ。


私がヒロの気持ちに気がついていたのと同じように、多分ヒロも私の気持ちには気づいていたんだと思う。

つまり、私がヒロのことを見なくなったことは、ヒロの目線から見ると『私がヒロのことを諦めた』ということになるんだろうな。


そうなった時点でヒロは、私のことを意識しなくてもいいようになったんだ。


今更それに気がついたことも、そしてヒロにそう思われることも、私にとってはすごくつらいことだった。